ED治療薬は勃起できない人が服用するものと思っている人が多いようですが、これは誤解です。正しくは、「勃起はできるけど、維持できない人が服用するもの」です。そのような考え方は、自分もパートナーも幸せな気持ちになります。しかし、「勃起できるからEDとは言えない」と考えて、そのままにしている人が非常に多いのです。
勃起を維持できない 「中折れ 」はEDの代表的な症状
EDは、勃起ができない症状というよりも、勃起を維持できない症状です。一度勃起しても、性行為の終了（射精）まで維持できないのが最も典型的なED症状です。
医学的なEDの定義は、『満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られない、または維持できない状態が持続または再発すること』となっています。中高年男性の「中折れ頻発」の問題は、この定義に該当します。
しかし、一度勃起して挿入が可能になれば、頻繁に中折れしていてもEDとは思わない人がほとんどです。これは、EDを医学用語のインポテンツと考える人が多いためと思われますが、現在ではほとんど使われていません。
この誤解が、コントロールできない中折れの大きな原因になっているのかもしれません。しかし、ED（勃起不全）はいわゆるインポテンツとは全く異なる概念であり、高血圧や前立腺肥大と同様に中高年男性に非常に多い疾患です。
バイアグラが厚生労働省に認可される前の1998年以降、EDの患者数や有病率に関する公的な調査は行われていませんが、当時の調査では、成人男性約5000万人のうち1130万人（約26％）が「中程度または重症」のEDに悩んでいると報告されています。
その後20年ほどの間に高齢者の割合が増え、EDの患者数や有病率は当時よりはるかに高くなっていると考えられています。
ED治療薬は「勃起維持薬」である
ED治療薬は『勃起薬』と考えるよりも、多くのED症状に適応し、その効果も理解できる『勃起維持薬』と考える方が適切です。また、薬理作用の面でも『勃起維持薬』と呼ぶ方が適切です。
ED治療薬の正式名称は『PDE5阻害薬』です。ED治療薬は、血管収縮（＝勃起の停止）を引き起こすPDE5という酵素を阻害することで効果を発揮します。
一度勃起すれば、射精するまで「雷と稲妻も」大丈夫な10代、20代に比べ、40代、50代はちょっとしたことで中折れしてしまうことがあります。
これは、勃起させる力と終わらせる力（PDE5）のバランスが悪く、後者が優位になりがちなためです。
一人でのオナニーもそうですが、パートナーとのセックスは共同作業ですから、「ちょっと気が抜けた」なんてことはよくあることです。そんなとき、心強い味方になるのがED治療薬です。
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たまに「勃起するからEDではない」という勘違いの弊害
セックス中にランニング状態になることが多くても、「勃起しているからEDではない」という思い込みは、さまざまな弊害をもたらします。 そのような考え方は、多くの人に害を及ぼしています。
最も多い弊害は、セックスレスになりやすいことです。勃起が途切れるという恥ずかしい経験によって、セックスが面倒になり、男性のセックスに対する意欲をそいでしまうことがよくあります。パートナーは、このような態度に不安や不満を感じつつも、なかなか相談できずにいるのではないでしょうか。
男性は「ただの浮気だから」「相手が変われば自分も変わる」と落とすかもしれませんが、気をつけないとパートナーとの信頼関係にヒビが入ってしまうこともあります。
また、EDの症状は、生活習慣病のサインであることもあります。糖尿病が発覚した患者さんの多くは、発症前にED症状を発症しています。心筋梗塞や脳梗塞も同様で、EDを無視していると重大な病気の発見が遅れてしまうことがあります。
高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病は、いずれも血管の健康状態と関係があります。ペニスに血液を供給する血管は非常に細いので、血管の健康状態を知るバロメーターになります。その意味でも、EDを軽く見て放置するのは得策ではありません。
最後に
EDは「勃起できない」病気ではなく、「勃起を維持できない」病気です。ED治療薬は「勃起しにくい人」だけでなく、「勃起を維持できない人」にも最適な効果を発揮します。
ED治療薬を早めに服用することで、様々な嬉しい効果が期待できます。中折れを放置せず、早めの治療を強くお勧めします。
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